アーチの開口がつなぐ家
神奈川県藤沢市、海からほど近い静かな住宅街に建つ築37年の住宅のリノベーション。施主は東京からの移住を機に、のびのびと暮らせる住まいを望んでいた。
まず築37年の既存住宅の断熱や構造の補強を行いながら、細かく部屋が間仕切られた内部を一体的な空間につくり替えるため、壁を解体し部屋同士をつなぐ開口を設けた。この開口を、一間幅の「アーのチ開口」として収納棚や装飾としても使用し室内に連続させる。
するとこの「アーチの開口」は、単なる開口としてだけでなく、クライアントが住宅購入時から気に入り保存した玄関の吹き抜けやステンドグラス、階段等の設えや、解体をして現れた既存の梁や柱、筋交い等の構造体の存在感を調和させながら、連続することで各要素を緩やかにつなぐ役割を持つ。
更に収納内の棚や物、開口を横断する机等「アーチの開口」はスケールを超えてインテリアにも溶け込み住まい手の生活をも緩やかにつなぐ。
このようにして既存の面影を残し、アーチの連続による新たな骨格を挿入することで既存の住宅が更新され新たな価値が生まれる。新しい住まい手に合わせて次の世代につなぐリノベーションの提案。
計画地:神奈川県藤沢市
竣工:2024年10月
用途:専用住宅(改修)
規模:木造 地下1階地上2階建て
延べ床面積:126.69㎡
設計:稲山貴則+本多希/稲山貴則建築設計事務所
施工:縁建設
撮影:鳥村鋼一