UNCAGE.
都内に住んでいた施主が山梨県甲府市に移住するための住宅。施主は農業体験などで山梨に通う中で山梨の生活に魅せられ移住を決めた。
敷地は千代田湖の北東側の湖畔に位置する。一般的な住宅と同じように建物を真南に向けると湖の一部しか見ることができないため、敷地から一番眺望の良い南西側に建物を向けた。 国立公園内に位置し、建物の規制があるため屋根は切妻屋根とし外壁は杉板を黒く塗装した。さらに敷地境界線から5mもセットバックする必要があり、眺望の良い南西側に大開口を向けると自ずと平行四辺形の平面にたどり着いた。
たくさんの人が集まることを想定した大きなLDKとし、将来はカフェや料理教室など地域の人々が集まる場として開放することも視野に入れている。そのため玄関も家族用のものと2つ設け、キッチンは7.5mのカウンターとした。
施主は建物ができる前から近所の帯那で行われている田植えや収穫祭に参加し積極的に地域との交流をおこなってきた。建物ができてからは通りすがりのご近所さんが頻繁に訪れる。カフェや料理教室がはじまり地域のコミュニティの新たな拠点となることを楽しみにしている。
計画地:山梨県甲府市
竣工:2023年3月
家族構成:夫婦+子ども1人
敷地面積:1470.93㎡
建築面積:95.97㎡
延床面積:123.80㎡
構造:木造2階建
設計:稲山貴則建築設計事務所
施工:丸正渡邊工務所
構造:建築構造研究所
撮影:鳥村鋼一