郊外の住宅地に建つ小さなギャラリー。敷地は神奈川県藤沢市に建つ家の庭の一角で、この家に住むクライアントがアーティストを招き、作品の展示と販売をするための場所を計画した。

母屋の環境を考慮し新しく建築を建てる場所は敷地の北側とし、敷地境界と母屋の間にできる台形の平面をそのままボリュームとして立ち上げた。また、周囲を住宅に囲まれていた為、天井高さ約５mとし高窓から安定的な光を取り入れ、そのほかの窓は周囲の住宅と干渉しない様に住宅間の隙間や擁壁に向けて設けた。

展示は、今回設計したギャラリーと母屋の一部の2ヶ所としており、来場者は庭を介して2つの空間を行き来できるようになっている。材料や質感の異なる展示空間を行き来することで様々な体験ができるギャラリーを目指した。

専用住宅の立ち並ぶ郊外の住宅地の庭先に小さな建築を挿入することで、街に賑わいをもたらすことができる。この小さな建築が連鎖し少しでも街を変えるきっかけになることを願っている。