庭の輪郭
山梨県甲府市に建つ若い夫婦と小さな子供のための事務所付き住宅。
敷地は600㎡以上あり宅地としては広大であるが、四方を住宅や駐車場に囲まれた大きな旗竿敷地である。
周囲の住宅は新しいものから古いもの、集合住宅や空き家まで様々で今後、駐車場が宅地になったり、逆に住宅が解体されて駐車場になったりする可能性もあり周辺の町並みは安定しない状況であった。
このような周辺環境の為、広い敷地を利用し敷地内に理想的な環境をつくりその環境を住居に取り入れることを試みた。
具体的には敷地の中央に大きな庭を確保し、庭を囲む様に部屋を配置していく。
ボリュームを部屋単位に分割し平屋とすることで周囲に圧迫感を与えない配置とし、それぞれの部屋は庭に向かって開き光や風、庭の景色などを室内に取り入れる。
更に庭は長い庇空間や土間、造園家による植栽や鈍く光る壁によって密度の高い空間とし、外部のリビングのような扱いとした。
また、駐車場は母屋から5mの片持ち構造で屋根を伸ばした空間とし、物干し場など他の外構も母屋と同じルールで計画し統一感を出した。
広い敷地を利用し諸室を様々なボリュームに置き換え配置することで、内部空間と同時に外部空間も一緒に構築し広い敷地の全体を設計対象とした計画。
計画地:山梨県甲府市
竣工:2018年10月
用途:事務所併用住宅
規模:木造平屋建て
敷地面積:618.43㎡
建築面積:171.67㎡
延床面積:151.97㎡
設計:稲山貴則 建築設計事務所
施工:M’s-A
構造:BSI
撮影:鳥村鋼一
掲載:METALOCUS(スペイン)