軒下と小屋裏の家

この地域は斜面地が多く、この敷地も面積の半分以上が崖になっている。

斜面地は昔から手付かずの状態で残されていることが多く、敷地にも沢山の樹木が残っていた。

クライアントからは土地の記憶を引き継ぐために樹木は出来るだけ残して欲しいと要望があった。

また、崖下には中層の建物が密集しているためそこからの視線も考慮することも要望の一つであった。

そこで、崖に残る土地の記憶を残すために建築は崖を避け敷地の平らな部分(約16m×4.5m)に配置することにした。

そして、崖とほぼ同じ勾配の大きな屋根を架けることにより、崖下の建物からの視線をコントロールすることを試みた。

大きな屋根の庇が伸びることにより、軒下空間である1階は外部からの視線を遮り、内部からの視線を崖へと導く。

小屋裏空間である2階では屋根の勾配に合わせて傾斜した窓を目線より上に設けることにより、外部からの視線を遮り屋根を貫通した高木の緑と空の風景だけを室内に取り込むことが出来る。

軒下と小屋裏空間を拡張した崖と有機的につながる建築。

 

view from north

view from cliff

view to cliff

entrance porch

stair from 1F to 2F

1F garage room

inner terrace

living and dining

view from kitchen

loft storage

under construction

evening scene

evening scene

evening scene from cliff

計画地:東京都文京区
竣工:2010年12月
用途:専用住宅
規模:木造2階建
敷地面積:182.25㎡
建築面積:58.18㎡
延床面積:84.84㎡
設計:西田司+稲山貴則+梁井理恵/オンデザイン
施工:伸栄
構造:Structured Environment
撮影:鳥村鋼一
掲載誌:LiVES Vol.60、SUSU 素住 2011 No.9、モダンリビング NO.198
web:designboomdezeenArchDaily