Tab House
若い夫婦と小さな子供の3人家族が東京から八ヶ岳の麓、山梨県北杜市への移住するための住宅。
都会からの移住者にとって地域との関わりはとても重要な要素である。
施主のふるまいを地域に開くことで、周辺の住民や周囲の自然と接するきっかけが増えると考え、大きな縁側や展望台、出窓や物干しなど地域と接する「のりしろ空間」を住居と地域との間のバッファーとして配置した。
すると「のりしろ空間」を介して庭や地域と接する機会が増え、普段の生活がよりきっかけに満ちたものになるだろう。
内部空間はどこにいても敷地南の庭や北側の森とよりダイレクトにつながるように立体的なワンルームとした。
大きな空間の中で家族全員が共に過ごす時間を共有し、お互いが別のことをしていても一体感のある広場やカフェのような公共空間に近い状態を目指した。また、大きなワンルームは室内環境も共有することができエネルギーを効率的に使用することにもつながる。
寒冷地ということで暖房のシステムには特に配慮し、エアコン1台で床下空間を温め床のスリットから暖気を放出することで室内温度を均一にし、少ないエネルギーで家全体を温めるシステムとしている。
すでに住み始めてから地域の人から野菜をもらったり、造園のアドバイスをもらったりと「のりしろ空間」を介した地域との交流が生まれている。
移住という大きなハードルを越えるためにこの家が少しでも寄与できればと考えている。
計画地:山梨県北杜市
竣工:2017年3月
用途:専用住宅
規模:木造2階建て
敷地面積:687.68㎡
建築面積:73.58㎡
延床面積:103.00㎡
設計:稲山貴則 建築設計事務所
施工:巧光建設
構造:大原和之+高橋修一/BSI
撮影:鳥村鋼一
掲載誌:Archiworld 285(韓国)、SUUMO注文住宅 2020春夏号 、心地よい空間をつくる小さな設計・建築事務所 、建築知識2020年12月号
Web:アーキテクチャーフォト、KLASIC、ArchDaily、Dezeen、Archello(Nederland)、hunker(USA)、Leibal(USA)、ibanana(China)、Archijob(Israeli)、AECCafe(India)、Houser(Korea)